dsPIC FFT機能 デモ -
■FFTフーリエ変換のデモ

dsPICのFFT機能のデモをご紹介します。
このデモ装置はプッシュホンのDTMF信号を発生させ、その信号をFFTで解析して押された番号を検知しその番号を表示しています。
この表示はCANインタフェースで接続されたユニットに通信出力され、番号をLED表示すると共にその番号のレベルに合わせてFANの回転数を調節しています。
DTMF→受信FFT解析→CAN伝送→表示・制御のプロセスを示したデモユニットです。


デモ装置の外観と構成図を示します


■プッシュホンDTMF信号発振器


DTMF(Dual Tone Multi Frequency)信号はプッシュホンダイアルで使用されている信号で、トーン信号とかプッシュ信号などと呼ばれています。数字を表現する方法として2つの周波数を合成させた信号で、キーボードの縦列、横列で8つの周波数の合成です。
このDTMF信号発生は28ピンの小型PIC24Fを使用しています。
高速のPWM出力を利用して2つの周波数を含むDTMF信号を発生させています。
キーボードをスキャンしてキー入力があった場合そのキーに対応する2つの周波数のサイン波を出力しています。
PWMを利用してもオーディオ信号を問題なく発生させることができます。
外部回路はCRのローパスフィルタのみでよいのですが、ここではデモのためモニタ信号の出力や出力バッファアンプの回路を設けています。
DTMF出力信号の波形のようすを示します。

●発振波形

        

DTMF信号の構成
低群/Hz
高群/Hz
1209
1336
1477
1633
697
1
2
3
A
770
4
5
6
B
852
7
8
9
C
941

*

0
D
■DTMF信号受信とFFT解析

遠方から送られるDTMF信号を受信したと仮定し、その信号から押されたボタンの解析をFFTを利用して行います。
dsPIC33を搭載したMA230を利用してFFT解析を行います。入力信号はcodecより取り込みます。FFTは1024ポイントの配列で処理しています。
グラフィックLCD画面にFFT演算で使用するサンプリングした波形とFFT演算結果である周波数スペクトルをグラフィカルに表示しています。これはちょっとしたスペアナ表示です。
このスペクトルから強い信号の2つを取り出して、その周波数からプッシュダイアル番号を探し出します。
検出されたプッシュダイアル番号はCAN通信を利用して外部に送り出します。

 


DTMFデュアルトーン信号とFFT後のスペクトル表示

単純なサイン波を加えてみた波形
●MA230を利用したFFT解析と表示


■CAN通信による表示と制御


CANの受信MA245マザーボード上のMA242 dsPIC30で行います。MA245にはCANドライバが実装でき、CAN回線に直結できます。
CANで受信したDTMF番号は7セグメントのLEDに表示させます。
シリアル通信で表示できるMK154 LED表示ユニットをRS232Cで通信表示させています。
さらにその番号によりFANの回転数を可変します。
0は停止、9はフルパワーで回転します。回転はMA245 オンボードのパワーコントロール回路を
利用し、PWM信号で制御しています。
  


 


■CAN通信モニタ


CANの通信はCAN239によりモニタしています。モニタの内容はシリアル通信出力され、パソコン上でモニタします。モニタした通信内容を示します。

     

●CAN通信モニタ

  *現在MA245,MA242,MA239は販売終了しております。